風船ミニミニ情報


ゴム風船ミニミニ情報を掲載しました。たとえば、ゴム風船は 何から出来ているんだろう?

風船を飛ばすときの注意など。なるほどと思うこともいっぱい。
夢いっぱいの風船です。そしてちょっとした心がけが自然環境を 大切にします。

1.ゴム風船は天然物質から出来ています。

ゴム風船の原料となるゴムの樹液(ラテックス)はゴムの木から
採取する天然物質です。原産は南アフリカの熱帯雨林ですが、

現在では熱帯地域などの多くの国でゴムの木のプランテーションが
行われています。

また、観葉植物として、家庭などでも親しまれています。

ゴムの木の樹皮に切り口をつけると白っぽい樹液が出て来ます。
これを集めたものがラテックスです。樹液が流れやすいように、

樹皮に斜に溝を付け、流れ出る樹液を受け皿にためます。
この受け皿は、椰子の皮などで作られたものが多いようです。

1本の木からは年間で20kg〜30kgのラテックスが採取出来る
そうです。

樹液をたくさん採ろうと、欲張って深く傷つけ過ぎると、木が傷ついて
しまってラテックスが採れなくなるそうです。

また、年中傷つけられて樹液を採り続けるとゴムの木も弱ってしまうため、
時々ゴムの木を休ませてあげるという工夫もあるそうです。

このようにラテックスは100%天然物質から出来ています。

空気に触れることによって酸化が始まり、直射日光や自然界の
微生物によって分解が進みます。

同条件のもとで、ラテックスと樫の落ち葉の分解速度がほぼ同じである
という研究結果も出ているそうです。

環境保護が叫ばれる中、ラテックス製品は自然にやさしい製品と
言えるでしょう。

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2.ゴム風船で熱帯雨林保護?

環境問題に敏感な方の中には、ラテックスを採取するために
熱帯雨林の木々が伐採されるのでは?との疑問をお持ちになる方も
いらっしゃるかもしれません。

しかし、牛乳を採るために牛を殺してしまわないように、
ラテックスはゴムの木が生きたままの状態で採取することが
出来るのです。木が育つのには時間がかかります。

ゴムの木もラテックスが採取できるようになるまで8年くらい
かかるそうです。伐採せずに済むものをむやみに伐採してしまったら、
環境にも負担がかかりますし、コストもかかるのです。

ラテックス採取ではそのような無駄なことはありません。
また、ラテックス製品の需要が増加することにより、

ゴムの木の経済価値が上がり、むやみな伐採が行われるのを防止する
効果もあるのです。

結果として自然の生態系と大気、そして、ラテックスの採取を
している地域の産業や生活を支えていることになるのです。

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3.飛んでいったゴム風船の行方?

ゴム風船の場合、そのほとんどが約8000メートルの上空まで上昇します。

気圧差で約7倍までふくらんだゴム風船は、上空の約-40℃の冷気で
凍結し、こなごなに割れて落下するという研究結果が出ています。

一方上昇しきらずにそのままの形で落下したものに関しても、
上昇したもと同様、直射日光や外気、バクテリア、雨水などによって
分解されて行きます。

しかし、そのように落下する場合、3,900ヘクタール(東京ドームの834倍)
の広さに1個という割合で、ほとんど目に付くことはないそうです。

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4.海洋性動物に対する影響は?

これまで、ゴム風船が海洋性動物の死因になったという臨床医学に
基づいた報告はありません。

死亡した水鳥や海洋性動物からゴム風船が検出された例はほとんど無く、
唯一の例外である、アメリカ・ニュージャージー州の海洋哺乳動物保護
センターで、海がめの腸からゴム風船の小片が見つかったという例でも、

責任者のボブ・シュールコフ氏は、『死因がゴム風船であるとは断定
できない』とコメントしています。

このように、ゴム風船による海洋性動物に対して害があるという訳では
ないのです。

ただし、風船を飛ばす場合には、いくつかの注意が必要です。

以下に日本ゴム風船商工会、飛翔風船問題対策委員会の作成した
ガイドラインを掲載します。

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バルーンリリースのガイドライン
1994−10−21
日本ゴム風船商工会
飛翔風船問題対策委員会
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自然環境に対する影響を考え想定でき得る状況をできるだけ掌握し、
安全で楽しいバルーンリリースの環境を整備るためにガイドラインを作成する。

1. リリースには、ヘリウムガスを使用する事。…水素ガスの禁止

2. リリースされる風船は、ラテックスを原料とする『ゴム風船』である事。
蒸着フィルム使用のものや自然環境で生分解しないものは使用しない。

3. 使用するゴム風船の止め具に、プラスチックなどの生分解しない物は
使用せず、風船自体でしばる事。

4. 糸など持ち手をつける場合、ゴム風船と同等の生分解性持つものを
使用する事。…木綿糸・輪ゴムの推奨

5. リリースされるゴム風船はすべて単体とし、集合体でリリースしない事。

6. リリースの実施場所、天候などロケーションを考慮する事。

資料提供: 日本バルーン協会

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