風船の歴史

いろんな色や形がたくさん溢れ、私達を楽しませてくれる風船ですが、
一体いつ、どのように誕生したのでしょうか?

風船自体は、形こそ違え何世紀も前から親しまれていました。

古くは 動物の胃腸や膀胱をふくらませたという記録もありますが、
現在のゴム風船とはほど遠いものでした。

現在、風船と言えば、いわゆるゴム風船を思い浮かべる事が多いと思います。
ゴム風船の誕生は、天然ゴムが登場してからという事になります。

日本では、1857年に大阪でイギリス人が風船を膨らませたという記録があります。
明治維新以降から少しずつ日本にも風船が入って来ていたそうです。
このころでは大変な希少価値があり、なかなか一般に手に入るものではないようでした。

明治20年頃に、販売促進のために風船が大量に輸入されました。
当時高級品であったミシンが、風船を付ける事で大変良く売れたそうです。

風船は当時でも人気があり、販促効果は抜群でした。
しかし、100%輸入に頼っており、まだまだ高級品でした。

原料や製造方法などの情報もなく、国産の風船が
誕生するのはまだ先の事になります。

明治30年頃から、試行錯誤の上ようやく少しずつ風船工場が出来始めたようです。
当時の風船は自分の息で膨らませる事が難しいほど硬いものだったそうです。

現在のようなやわらかい風船が誕生したのは約60年前ごろです。

あるアメリカの科学者がラテックス(水分を多く含んだ状態の天然ゴム)を原料に
ゴム管を試作していた時です。

気まぐれにボール紙を猫の形に切り抜いて、ラテックスにつけ込んだところ、
猫の耳の形がちゃんと残った『キャットバルーン』が出来た、
というのが最初のようです。

このキャットバルーンをたくさん作り、ボストンの愛国記念日に
販売したと言う話も残っています。

日本では、第二次世界大戦をはさんでいる事もあり、
残念ながらラテックス製のゴム風船の誕生については定かではありません。

昭和4年にはじめて輸入されたのち、昭和10年頃に
ラテックス製のゴム風船の製造が開始されたという記録があります。

昭和23年頃にはゴム風船の製造が再開され、時代とともに様々に
ゴム風船が用いられています。

生活に彩りを加えたり、子供に夢をもたらしたり、そして時には人々に祝福や
感動を与えたりと、様々なシーンで風船は私達の生活に密接に
結びついています。

資料提供: 日本バルーン協会



▲ページのトップに戻る

△風船のおはなし目次ページへ